情報収集と看護方法

認知症の発生原因は様々ありますが、主な種類としては、アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型の4タイプに分かれています。

その原因によって、症状の発症の仕方が異なり、治療や対応の方法も異なります。入院する時点で既に認知症を発症していることも多く、入院時の問診で家族や身近な方からの情報収集が欠かせません。どのような行動がみられるのか、どのような時に症状が強く出るのかなどの認知症に関する症状、普段の生活や若い頃どのような生活を送り、どんな仕事をしていたのかなども、重要な情報です。

入院中の言動も観察していきますが、あらかじめ認知症による言動を把握できることで、早期に認知症の種類を把握することができます。その情報をもとに、看護を提供することで、その人に合った対応が可能です。また、入院は、初対面の看護師と毎日接することになり、強いストレスの原因となります。認知症の患者にとって、そのストレスは、認知症をさらに悪化させる原因となる可能性がありますが、自分のことを知っていてくれる看護師がいることで安心に繋がることも考えられます。

また、普段飲んでいる睡眠導入剤などの内服薬や、その使用頻度の情報も把握することが大事です。例えば、飲まないと不安だからと鎮痛剤を毎日飲んでいたり、普段から睡眠導入剤を多用したりすると、入院時にせん妄を起こしやすく、せん妄は認知症を悪化させる原因となります。看護師は、入院による認知症の悪化や発症をできるだけ予防できるように関わって行くことが大切です。